税理士が税理士試験の異常さに口をつぐむワケ
前々回、「税理士試験適正化要望」今後の予定の記事を更新した直後に、twitterで興味深いつぶやきを拝見しました。税金マニア②さん(@taxmania12)は、税理士実務について参考になる知見や、ためになる税金クイズを更新されていらっしゃる税理士の方です。これらのつぶやきは私に向けたものではないのでしょうが、今私がやっていることに響くことがありましたので、勝手ながらまとめさせて頂きます。
目次
税理士は税務署に逆らえない。税理士試験についても。
税理士試験は試験ではない
— 税金マニア② (@taxmania12) 2017年1月12日
税理士は国税OBの天下り資格で試験はガス抜き祭りだ
その証拠に、税務署には税理士監理官という税理士を監督する人がおる。税理士の懲戒処分の調査をする人だ。弁護士や会計士には監理官なんぞおらん。弁護士会や会計士会が自らの自治で懲戒するのだ。
税理士の懲戒権者は財務大臣。税理士は税理士監理官(税務署)に逆らえないのです。税理士試験は(真っ当な)試験ではない。それがわかっていても、税理士が表立って声を上げないのは、これを恐れているからでしょう。正式な懲戒処分までいかなくとも集中的に税務調査をされ、又はされるかもしれないと思わせるだけで萎縮効果があります。弁護士や会計士にはあって、税理士にはないもの。それは自治です。税理士は「独立した公正な立場で」と税理士法には高らかに謳われていますが、実際は両足に鎖を結ばれているようなものです。
税理士法
(税理士の使命)
第一条 税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそつて、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。
私の直接知っている税理士の方数名に「適正化要望」への協力を求め、また親交のない方にも何名かメールを送りました。ですが皆、二言目には黙ってしまうのは、国税庁に目をつけられたくないという意識が働いているのではないでしょうか。それとも考えすぎでしょうか?
税理士はOBの天下りを前提とした資格だから、そのまんま、税務署が税理士諸君を監督せんと、あいつら、何するかわからん!!と、いう、法律の建て付けなんだと思う。
— 税金マニア② (@taxmania12) 2017年1月12日
そこが、弁護士、会計士と比較し、ブランド力が落ちるとこだろう。 → そんなお若いのに税理士ですか??とよく言われる。
※税理士はOBの天下りを前提とした資格……官公署における税務職員として10年~15年勤務すると、税理士試験科目のうち、税法科目が免除される。また、23年〜28年以上税務職員として勤務し、指定研修を受けたものは会計学の科目が免除され、無試験で税理士となれる。
が、オレは、それを否定しない。どーぞ、どーぞ、無試験の人、いらっしゃいだ。
— 税金マニア② (@taxmania12) 2017年1月12日
この資格、そのようにOBが多く、試験合格者を年間1000人に絞ってくれているので、若いうちに合格して、50年営業したヤツが勝者になるのだ。
→ ブランド力はないかもわからんが、そこそこ食えるで(≧∇≦)
そこそこ食える証拠???
— 税金マニア② (@taxmania12) 2017年1月12日
→ 多くの会計士が税理士をやって稼いでメシ食ってるではないか!
税理士は、社労士もできんし、会計士にものれん。税理士1本でメシを食っている。
この資格は間違いなく食える資格だ。ただし、頭はいらねえが、人間力が必要だ。
他の商売と同じやねん。
勉強して早く受かった方がいいのでは、という意見
しのごの言わずにベンキョーしなされ。なんも考えんでよろしい。
— 税金マニア② (@taxmania12) 2017年1月12日
ベンキョーすれば合格できます。
弱くても勝てます。
税理士試験わ。
「ベンキョーすれば合格できます。」その通りだと思います。
税理士試験の一部科目には正解が確定できないような不適切な問題があり、全く不透明な採点がされているせいで、本来合格できる人とそうでない人の番狂わせが生じている、というのが今私が一番問題にしている点です。税理士試験の合格率は概ね13%前後ですが、上位5~30%前後の人はでたらめな採点のせいで入れ替わりが起きている可能性があります。ただ本当に優秀な方で上位2~3%に入るようなぶっちぎりの成績を残している方は、でたらめな採点をされてもまず合格圏に残るでしょう。
その点、自分が受かることだけを考えるなら、せっせと勉強することが正直に言って一番合格への近道だと思います。上位2%に入れば確実に受かるのです。私のように、税理士試験の問題点について調べて行動を起こしている間に合格から遠ざかっていると思います。
「署名とか開示請求とかやっている暇があったら、勉強して早く受かったら?」実際に何人にも言われました。ただ、税理士試験について調べるほどに、欺瞞だらけで、どうしても放っておけなかったんですよね。これは性格の問題だと思います。私はめんどくさく、しつこい人間ですから。他に誰もやらないんだったら私がやる、ということです。代わりにやってくれる人が出てきたらさっさと渡しますよ、こんな大変なこと。
ちなみに
— 税金マニア② (@taxmania12) 2017年1月12日
公証人役場の公証人には
試験がないんでしょ??
年取った裁判官の天下り先なんでしょ??
裁判官→公証人
税務署→税理士
なのに、税理士だけは、民間人に門戸を開いる。
ありがたく受験せい!
と、言ったら機嫌悪くしたヤツがおった(≧∇≦)
知らんがな(≧∇≦)
税理士は気を付けないとすぐ逮捕される
税理士監理官の仕事
— 税金マニア② (@taxmania12) 2017年1月12日
→ 税理士の調査、懲戒処分
たとえば、脱税相談に軽く応じた。「バレても、オレは知らんからね(≧∇≦)」
こんなの100%懲戒処分だからな(≧∇≦)
え!!??って
おまえ、大丈夫か!!!
軽口は慎みなさい。
と、講演で話したら、新人ちゃんにツッコミ受けたけど
軽い脱税相談がなぜバレるのかわからない???
— 税金マニア② (@taxmania12) 2017年1月12日
→ キミは税務調査に立ち会ったことがないのか??。税務調査の時に、「この件については税理士に相談しましたか??」と調査官は納税者に確認とってるではないか。納税者が「これくらいならバレないって税理士さんが言いました」→ アウト!!
怖い思いをする納税者は、チョットでも、罪を軽くするために、「税理士先生も、私の脱税、絶対ダメって言わないから。私もこれくらいなら、みんなやってることかな〜って思って、脱税しちゃいました」な〜んて、よくあることらしいよ。運の悪い人はこれで留置場に行くのだ。
— 税金マニア② (@taxmania12) 2017年1月12日
税理士なら
— 税金マニア② (@taxmania12) 2017年1月12日
税理士を目指すなら
これを読んでおいたほーがいい
明日は我が身だ
オレは、実は用心深い
愛読書は、ゴルゴ13だ
↓留置場生活200日① pic.twitter.com/UI1cCjSsON
↓ 留置場生活200日②
— 税金マニア② (@taxmania12) 2017年1月12日
キミわ、この留置場に200日ぶち込まれた税理士をどう思うのか???
世の中には理不尽がたくさんある
痴漢冤罪だけではない
どう思うかね?? pic.twitter.com/1W1RYLwBTM
痴漢してないのに、捕まって、痴漢行為を否認したら、ずーーっと保釈なして留置場
— 税金マニア② (@taxmania12) 2017年1月12日
脱税指南してないのに、納税者にハメられて、逮捕されて、脱税指南を否認したら200日留置場
同じなの。捕まったら終わり。
結論、脱税の「ダ」を言う人間には近づくな。臆病者だけが生き残れる。ゴルゴ13
かわいそーだが、世の中、理不尽なことはいっぱいある
— 税金マニア② (@taxmania12) 2017年1月12日
オレよりイケメンが現れたから彼女にフラれたとか
ちゃんと解答したのに税理士試験に落ちたとか
若いのにガンで死ぬとか
まあ、世の中、理不尽なことばかりでしょーよ
かわいそーだが、どーしょーもねえ。
ほんと。
世の中、理不尽なことばかりで、どーしようもないことはありますよね。でも本当に「どーしょーもねえ。」んでしょうかね。ガンで死ぬのはしょうがなくても、税理士試験の理不尽は人災ですから。ただの試験委員のしょうもないミスと、それをチェックしない国税庁の怠慢ですから。なんらかの陰謀があって不正をわざとやっているなら、もうそれは知りませんが、ミスなら防げるものは防ぎましょうよ、ちゃんと対策しましょうよ、というのが私の意見です。
顧問先の脱税額大きい、脱税額5000万円くらい??と税理士は捕まるわけだ
— 税金マニア② (@taxmania12) 2017年1月12日
監査先が粉飾してると会計士が捕まるのと同じだ。
相手を見極める「目」が必要だ。
この点は、実は税理士より会計士のほーが、はるかにはるかに上をいっていると思う。税理士はコンプラが薄い。
飯塚事件(1963年)
国税庁という組織は、意向に逆らう税理士を弾圧してきた歴史があるのも事実です。国から免許を与えられて仕事をしている者としては、声を上げるのもなかなか勇気がいることかもしれません。飯塚事件(1963年)では、税理士の飯塚毅が当時の税法上合法的に行っていた節税対策(別段賞与)に対し、国策捜査がされ会計事務所の職員4名が逮捕されました。最初の税務調査開始から無罪判決が確定するまでに7年かかりました。
ちなみに、冒頭に掲げた税理士法第一条に「独立した公正な立場において」の一節が入ったのは、飯塚毅先生の尽力だそうです。
『不撓不屈』は、飯塚事件をモデルにした(TKCのプロパガンダ)映画です。
おかしなことには「おかしい」と声を上げたい
私はそこまでの気概があって一連の活動を行っているわけではありませんが、誰が考えてもおかしなことにはちゃんと「おかしい」と声を上げたいと思います。税理士業界の常識は、外の世界では非常識です。
試験が終わって予備校の講師がどれだけ考えても、正解がはっきりしない、自分が間違えたのかどうかも、点数もわからない、そんな国家試験が他にあるでしょうか?