税理士試験不適切問題集 平成30年度(第68回) 簿記論
「税理士試験適正化」に賛同頂いている簿記講師の方のご協力で簿記論の不適切問題集を公開することができました。ありがとうございます。
不適切問題として、5つの論点を挙げました。
うち、3つの論点(本支店会計、新株予約権付社債、投資有価証券)は、問題から解答を一意に特定することができず、予備校の模範解答でも解答が割れている明らかな不適切問題です。試験委員の意図した正答も、どのように採点されるかもわかりません。予備校は、「どちらの解答でも正解になる」などと楽観的な見解を言うことがありますが、試験委員の模範解答が発表されていないのだから何の根拠もありません。
外貨建預金と賞与引当金の2つについては、私が設定した「不適切カテゴリ」で(矛盾資料だが解答は可能)としています。外貨建預金は、会計的に正しくない処理が解答となり、賞与引当金は、問題に与えられた資料と残高が合いません。一応、一つの答えを導くことができるという点で、解答は可能です。しかし、通常あり得ない処理であるため、受験者を混乱させ、余分な確認の時間を使わせ、他の問題を解く時間に影響を与えるという点で、不適切ということができます。
この記事は、kuroneko様(某予備校簿記講師)の投稿に基づき、Markが編集しました。
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- はじめに(不適切問題をまとめる意義)
- 平成30年度(第68回) 簿記論 試験問題
- 全体の特徴・総評
- 第一問
- 問2 本支店会計
- 第二問
- 問2・設問1 新株予約権付社債
- 第三問(総合問題)
- 外貨建預金
- 投資有価証券
- 賞与引当金
- 参考
- TACの別解
- クレアールの批判
- 予備校の解答速報
- 国税庁「出題のポイント」
- 試験委員
- 他の不適切問題集
【平成30年度税理士試験】京都府会場、簿記論で試験監督の不手際 開始後1時間で終了の告知
当blogのコメント欄に情報提供がありました。今年の試験運営のトラブルで私が聞いた中では、最も重大な部類かと思います。試験開始後1時間の時点で、試験官が誤って試験終了の告知をしたとのことです。
kaypgc 2018-08-13 19:08:25
まあく様、2018年税理士試験、本当におつかれさまでした。私は今年、京都府会場(同志社大学京田辺キャンパス)で簿財を受験した者です。
受験中のトラブルについてネットで探していたところ、こちらのブログにたどり着きました。2018/8/7の同志社大学 京田辺キャンパスの簿記論の試験中、9時1分から試験開始されちょうど1時間後の11時1分にアルバイトの試験監督の男性(同志社大学の学生かと思われます)が「やめてください、筆記具を置き姿勢を正してください」としっかりと大きな声で言ったため、同じ教室の方みなが動揺しつつもペンを置いて止まりました。周りの方も動揺しつつ何があったのかと見回していました。
その後、もう一人の監督の方の合図があったのか、その監督の男性は自分のミスだと気付き、「試験時間を1分伸ばします、続けてください」として試験は続きました。
私も試験を続けましたが、自分の人生がかかった試験でそんなことがあり、(え、私何か悪いことした?カンニングとか誰かした?それとも地震起きたとか?)と様々な思いを巡らし動揺して、その後何分間かは試験問題にしっかりと取り組めませんでした。
その後、国税局の方が教室に戻ってきた際に、その男性が国税局の方に報告している様子は見られましたが、特にそれ以上受験者から声が上がることもなく。私も次の試験がありましたのでこの件に関しては終わったこととして心を切り替えたつもりでした。
ですがまあくさんのブログを読ませていただき、開示という方法もあるのだと勇気づけられました。ありがとうございます!今後も応援しております。
良い試験結果をお祈りしております。
kaypgc様、受験されたのはどの教室だったかわかりますでしょうか?他にも当該の教室で受験された方がいらっしゃったら、裏付けのため状況を教えてください。
受験生は1年間の勉強の成果を出そうと必死の思いで臨むわけですから、運営側にも万全の体制で行って欲しいのは当然のことです。特に簿記論のような時間との勝負となる科目では、精神的な動揺による影響も少なくないと思われます。
昨年確認された試験監督の不手際についても、私が国税庁に文書で対応を要請したにも関わらず、完全無視。そして今年もこのような不手際が繰り返されるという事態に、真剣に試験を行うつもりがあるのか疑問に感じてしまいます。
国税庁は隠蔽体質ですから、このような杜撰な運営があったということを正確に記録しておくこともこのblogの使命かと思っています。
また、試験問題の不備についても記事にしていきたいと思っています。所得税を記事にする予定ですが、簿記論でも、おかしな問題があったと聞いています。問題点をまとめて投稿してくださる方はご連絡ください。
平成30年度(第68回)税理士試験 全国の試験会場レポート
今年の税理士試験が終了しました。全国の受験生各位の出来はいかがだったでしょうか。試験運営の記録をまとめておきたいと思います。記事を十分に総括出来ていませんが暫定でアップします。
(写真追加しました。)
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- ツイッターで集めた全国会場の受験生の声
- 愛知県会場(愛知大学)の様子
- 私の受験
- 過去の試験会場レポート
税理士試験 実際の過去問題・答案用紙をネットプリントで配布中
あまり需要はないかもしれませんが、実験的に行っています。
全国のセブンイレブン店頭のマルチプリンターでネットプリントを選択して、下記の予約番号を入力すると、税理士試験で実際に使われた問題・答案用紙のコピーが入手できます。
8/5 24:00まで。
【税理士試験過去問題】第66回簿記論・問題用紙 予約番号34840999
【税理士試験過去問題】第66回簿記論・解答用紙 予約番号52212542
【税理士試験過去問題】第66回簿記論・問題用紙
— Mark / まあく (@mark_temper) 2018年7月29日
セブンイレブンのネットプリントで印刷できるようにしました。どうぞご利用ください。(画質悪いです。私には1円も入りません。)
予約番号34840999、A4 白黒:400円、2018/08/05迄 pic.twitter.com/pubD0OOM7y
【税理士試験過去問題】第66回簿記論・解答用紙 セブンイレブンのネットプリントで印刷できるようにしました。どうぞご利用ください。(画質悪いです。私には1円も入りません。)
— Mark / まあく (@mark_temper) 2018年7月29日
予約番号52212542、A3 白黒:140円、2018/08/05迄
セブンイレブンのネットプリントで簿記論の答案用紙を印刷したイメージ。
— Mark / まあく (@mark_temper) 2018年8月1日
受験生諸氏は予備校の答練で過去問は解いているでしょうから、実物の答案用紙の雰囲気を味わいたいという人どうぞ。 pic.twitter.com/qhO0weN4Nb
税理士試験中の水分補給が認められることになりました
先日の記事で、税理士試験での試験時間中の水分補給を認めるよう、国税庁に要望を出したことをお伝えしました。
その後、7月26日に国税庁サイトが更新され、これを認める措置をとることが発表がされました。twitterでは既にお伝えしましたが、より多くの受験生に届けるためこちらでもお知らせします。税理士試験で水分補給が正式に認められるのは、東日本大震災のあった年に電力事情による節電対応がとられたとき以来とのことです。
第68回税理士試験における試験時間中の水分補給について
第68回税理士試験について、試験中の飲食は原則禁止としていますが、水分補給のため700㎖以下の蓋付きペットボトル1本に限り、試験中、自己の責任において、机上に置いて飲むことを認めます。ただし、必ず蓋を閉めて机上に置き、こぼしたり、水滴によって問題用紙又は答案用紙を汚損しないよう十分に注意してください。万が一、問題用紙又は答案用紙を汚損した場合においても、交換はいたしません。
なお、ペットボトルカバーの使用及び缶、瓶、水筒等による飲料の持込みは認めません。
この発表について、税理士ドットコムは、試験を実施する国税庁人事課に取材を行っています。
国税庁人事課の担当者は「猛暑が厳しいなか、柔軟な対応が必要と考えた」と話した。ペットボトル飲料についているラベルははがさず、そのままでいいという。
「700ml」という基準は、最近のペットボトル飲料で500mlを超えるものが少なくないことに配慮したため。また、試験中に、サーモスなどの水筒に入れた飲み物を飲むことは認められないが、これまでどおり、試験中に挙手をして試験官付き添いのもと部屋の外で飲むぶんには問題ないとしている。
熱中症対策で税理士試験「ペットボトルで水分補給OK」、「助かった!」歓迎の声 - 税金やお金などの身近な話題をわかりやすく解説 - 税理士ドットコム
国税庁から税理士試験中の水分補給を認める告知が出ました。
— Mark / まあく (@mark_temper) 2018年7月26日
私が要望を出さなくても、出たかもしれませんが、これで安心して試験を受けられると喜んでいる受験生がいるので、送っておいてよかったと思います。https://t.co/F2XGKPjPG6
また、この発表を受けた受験生等の反応を、togetterのまとめで更新しています。
今回、私の送った要望が考慮されたのかはわかりませんが、私が送った要望では、事故防止の観点から必要なことを謳いました。警告したのに事故が起きたら国税庁の責任だと暗に言ったことで、行政が動いたのかもしれません。また、この措置が来年以降も継続されることも要望しています。
いよいよ、本試験が一週間後に近づいてきました。受験生諸氏は万全を期して臨みましょう!