あえて理不尽な問題を試験に出すメリットがあるか
いよいよ本試験まで1ヶ月を切りました。国税庁と係争中の審査請求の意見書書きも一段落して、私も本腰を入れて勉強を始めました。実務でも携わり、3年間受験して理論も全部覚えた相続税を止めて、今年は国税徴収法を勉強しています。
この記事は、こちらの記事に触発されて書きました。
ameblo.jp
なぜ私が試験に文句を言うか
仰るように、実務では資料が揃っていなかったり、クライアントに攻めた会計処理を要望されたり、判断に迷うことは多々ありますね。しかし、いくら実務で答えを出すのが困難な場面に直面するからといって、だから試験に解答不可能な理不尽な要素をあえて取り入れているのだと説明されて納得できるでしょうか。*1というか試験にその要素を取り入れる必要性はあるのでしょうか?*2残念ながらそこまでの柔軟な思考を私は持てません。
本気で人生かけて試験に挑んでいるからこそ、受験者の実力を測る適正な問題を出して欲しいと思います。やってきた勉強が報われない変な問題だからという理由で試験をあきらめてしまう人がいるとしたら(そしてそれは実際に相当数いると思われます。)、能力や素養のある人は税理士試験を辞めて、従順な暗記馬鹿&計算マシーンだけが残ることになります。現状の税理士試験は10年くらい地道に勉強を続けていればいつかは受かるようです。平均で8.6年。家族や子育てとの兼ね合い、受験者は皆さんそれぞれ様々な状況で試験に挑んでいます。試験のために失うものは大き過ぎます。収入、時間、友人との付き合い、といったものを犠牲にしているわけです。試験の方が変わらないと、税理士業界にとって損失になると考えます。
ですので私は信念を持って文句を言い続けたいと思います。国税庁への開示請求も本試験後に再開します。怠慢な行政に説明を求めていきます。
weather-to-taxさんの記事の主旨は、文句を言って現実逃避をするよりは、状況に適応してできることをやったほうが成果に繋がるということだと思います。その点は私も異論ありません。実際、私のように異議を唱える面倒くさい人より、真っ直ぐに近道を考える人の方が、合格は早いと思います。私も試験マニアになるつもりはなかったのですが、調べていたら無駄に制度に詳しくなってしまいました(苦笑)。
とりあえず試験に受かるために勉強をしないといけませんね。やっていきましょう。
署名は本試験後に国税庁に送付します
募集している署名は、本試験後に締め切って、頂いたコメントなども全部印刷して、国税庁に送付する予定です。現在までに集まった署名は150筆程度と、税理士受験者の数を考えると正直少ないのですが、様子見の人が多いのだと思います。試験に不満や問題点を感じていながら、傍観者になる方が多いのは本当に残念です。署名をするのに手間やリスクは全然ありませんから、今からでも参加していただければと思います。あちこちの税理士の方からも連絡を頂くようになりました。問題意識を持つ方は徐々に増えていると感じます。まだまだ、よろしくお願いします。
意見書part1 ブラックボックスを解放せよ!
国税庁と係争中の案件について審査会と日税連等に意見書を提出しました
国税庁への税理士試験の採点済み答案用紙の開示請求について審査請求を行っている件について、6月25日、情報公開・個人情報保護審査会に意見書を郵送しました。並びに、日本税理士会連合会、税理士の団体等にもこの意見書を送付しています。さらに研究者、メディア等にも送付する予定です。
この意見書は、国税庁と係争中の事案について、開示すべきことを主張する内容が主となっていますが、私がおよそ一年かけて調べてきた税理士試験の問題点についても要点が記されていますので、関係機関に問題意識を持って動いてもらおうと送付しています。
意見書には、昨年の試験を振り返る中で国税庁への憤りが感情的に表されている部分もありますが、弁護士の友人に事前にチェックしてもらい、第三者に正当性を主張するのに不利になるかもしれない品のない表現は見直してあります(笑)。意見書は最終的に24,000字ほどになりましたので、分割して順次このblogでも公開していこうと思います。
特にこの1ヶ月は、この件にかかりきりでしたが、ようやくこちらの手を離れました。試験に向けて切り替えてやっていきましょう。
税理士試験の受験料は安すぎる
先日、twitterに書いてそれなりに反響がありましたので同意をもらったと思っているのですが、あらためて。税理士試験の受験料は安すぎます。
会計士19,500円
— まあく (@mark_temper) June 22, 2017
司法試験28,000円
医師国家試験15,300円
土地家屋調査士8,300円
日商簿記1級7,710円
英検1級8,400円
センター試験18,000円
税理士3,500円、+1科目1,000円
受験料が安くて問題や運営が杜撰なくらいなら俺らもっと払うぞ
続きを読む目次
- 税理士試験の受験料は飛び抜けて安い
- 安価で受験しやすいこと < 公正、厳格、良質な試験が実施されること
- 国税庁には適正な試験を実施するインセンティブがないのでは
一年でも早く税理士になりたいなら税理士試験より会計士試験を選べ
この記事で書くことは、税理士試験、公認会計士試験、両試験の関係者にとって刺激的な意見かもしれません。しかし、決して、嘘、大げさではなく事実を述べています。貴方が税理士になりたいと思っている現役大学生くらいの若者で、税理士資格を一年でも早く得たいと考えているなら、という一定の条件はつきますが、税理士試験よりも会計士試験を受けた方がリスクが低く*1、そして早く合格できる可能性が高い*2です。その理由をこれからご説明しましょう。
目次
- この記事の対象としていない人
- 税理士になるのに会計士試験?
- 公認会計士は税理士にもなれる
- 税理士試験にこだわる必要は全くない
- 税理士会VS会計士協会
- 税理士資格取得のために利用される会計士試験
- 税理士会は会計士への税理士資格自動付与を塞いだが
- 税理士試験は非合理、非効率
- 科目合格制はメリット? NO! 時間がかかるだけ
- 税理士試験の受験者は激減
- 試験合格者は税理士登録者の3割以下
- 税理士試験と会計士試験 どちらが難しい?
- 近年の税理士試験は、会計士試験よりも難易度が高い
- 税理士試験から会計士試験への転向
- 参考
- 試験制度が変わる可能性はある
*1:この場合のリスクは、勉強開始からX年後に結果が出ている(合格している、又はしていない)可能性を言います。税理士の場合5科目に達しないと結果が出ないので、例えば3年後に結果が出ていない可能性は高いです。
*2:合格できるだけの実力があった場合に受験開始から合格までにかかる年数が短いという意味で、会計士試験の方が簡単という意味ではありません。