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意見書part1 ブラックボックスを解放せよ!

審査会に提出した意見書を何回かに分けて公開していきます。

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目次

意見書の見出し

意見書 目次







以下、本文となリます。

1 はじめに この開示請求の趣旨

1-1

 審査請求人は、原処分庁、かつ、諮問庁たる国税庁長官(以下「国税庁」という。)に対し、平成29年1月16日付審査請求書において、「平成28年度(第66回)税理士試験(相続税法)における本人の採点済み答案用紙」の開示請求に係る部分開示決定(国税庁 平成29年1月12日付 官人6−1)への審査請求を行った。同様に、「採点前答案用紙」(官人6−19)、「受験者の成績の記録されたファイル」(官人6−20)の不開示決定に対し、平成29年5月8日付審査請求書を提出した。
 審査請求人は、上記3件の原処分を取り消し、不開示部分の開示をするよう求める。開示を求める部分の詳細については、本意見書2−4で詳述する。
 まずここで、審査請求人がこの開示請求及び審査請求を行う、その背景について説明したい。

1-2

 審査請求人は税理士試験について、答案の採点過程や合否判定が不明瞭で、情報開示に対しては大変閉鎖的な試験であると考えている。例を挙げて言うと、試験問題の正解(模範解答)・配点の発表がない、受験者の評点の発表がない(合格、ないし、不合格A/B/C/Dの大雑把な通知のみ)。設問の不備により、一意の解答が導き出せない、解答不能といったデタラメな問題が出題されても訂正も採点上の配慮等の措置の発表もない。試験問題に対する質問も抗議も受け付けない、誰が合格するかは採点者(国税庁)のみが知りその判定の妥当性について外部から検証ができない、等といった点である。これは他の国家試験に比べても明らかに見劣りするもので、他の試験が時代に合わせ情報公開を進めてきた中で、唯一、前時代的で強権的な体質を有しているといえる。

1-3

 このように不透明で不明瞭、閉鎖的な試験制度がもたらした帰結として、この意見書4において取り扱う、公称の合格基準60%が守られていない疑惑、法的根拠に基づかない恣意的な採点が行われている疑惑、正解が導けない不適切な問題作成が行われている疑惑等の数々の疑惑が生じている。
 このような疑惑の基では、試験の公平性や健全性を担保することができず、「税理士となるのに必要な学識及びその応用能力を有するかどうかを判定する」という試験の目的が達することができているのかにも疑念が生じる。試験が本当に適正に行われているのかどうかは、多くの関係者が疑問に思っているところである。

1-4

 審査請求人は、試験を実施する国税庁・国税審議会に対し試験の問題点を指摘し改善策を提案するため、調査・検討を行い、インターネット上でブログを開設しこれらについて情報発信している。また、試験の適正化を要望する署名活動も行っている。

1-5

 審査請求人はこの開示請求を通して、試験における受験者の答案の採点が適正に行われているかを検証し、明らかにしたいと考えている。この開示請求は、ブラックボックスと化した試験にメスを入れようとする試みである。
 税理士試験がどう行われるべきか、試験制度の改善すべき問題点等については、当審査会において審議すべき事項からは外れるため、この意見書で全ての問題点を述べることはしない。しかし、国税庁が本件審査請求に係る保有個人情報の開示に対し否定的である背景には、理由説明書で種々主張する理由以外に、なるべく情報開示を行わないようにして試験の秘匿性を守り、試験の不適切性を露見させないようにという意向があると考えられる。本意見書4において詳述するこれらの理由は、現在の税理士試験に存在する問題点の内の一部で、本件審査請求の判断にも影響を与えるものであると考える。

1-6

 当審査会の審議を行う委員におかれては、行政の適正な運営と個人の権利利益を保護するという、この法律(行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律)の目的に適う結果をもたらされるよう、また、本件審査請求の結果が、税理士試験の受験者や今後の国家試験全般のあり方に影響を与えるものであることについても考慮の上、適切な審議を行って頂けるように要望する。
 審議に際しては、下記で述べる問題点について、必要に応じ国税庁に資料の提出や調査を求め、参考人の招致を行い、以って係る疑惑を明らかにし、あるいはそのような疑惑が正しくないことを証拠とともに示されるよう求める。これによって、税理士試験受験者、延いては、税理士制度・租税に関わる国民全体の利益に資することとなるよう願う。