「会計士試験の解答は行政文書に該当し保存することが望まれる。」平成16年3月31日答申 平成15年度(行情)答申第751号
判例・裁決事例研究シリーズ。今回は、公認会計士試験で採点に使用した「解答」が行政文書に該当するため、試験を行う公認会計士審査会に保存するように求めた重要な事例を紹介します。この裁決事例(答申)が、その後の別の開示請求にも繋がっていき、実際の試験がより透明性をもって行われるように変わってきました。司法試験の成績開示について取り上げた記事でも書きましたが、こうした受験者からの真摯な訴えがあって初めて国の制度が変わるのです。税理士試験でも、今私のやっている開示請求によって変わっていくものと信じています。
続きを読む目次
- 平成13年公認会計士第2次試験の合否決定に関する文書の一部開示決定に関する件
- 概要
- 今後は「解答」を保存するよう求める異例の付言
- 税理士試験の模範解答開示請求との比較
「税理士試験の模範解答は存在しない。」平成15年7月24日答申 平成15年度(行情)答申第208号
判例・裁決事例研究シリーズ。今回は、税理士試験に関するものとしてほぼ唯一の情報公開審査会答申*1となる「第51回税理士試験財務諸表論の模範解答及び採点基準の分かる文書の不開示決定(不存在)に関する件」を取り上げます。有名なものなので、ご覧になったことのある方も多いでしょうが、最近税理士試験に参入した方は、ご存知ない方もいらっしゃるでしょうか。
はっきり言って、この裁決、滅茶苦茶です。こんな無理のある弁解が罷り通るのか。重要部を抜き出しながら、解説(茶々)を入れていきますが、興味のある方は是非リンク先から全文をご覧になってください。
目次
- 第51回税理士試験財務諸表論の模範解答及び採点基準の分かる文書の不開示決定(不存在)に関する件
- 概要
- 16年前の開示請求の足跡を辿る
- 答申書
- 模範解答は存在せず感覚的に採点している
- 参考
*1:税理士試験については他に免除申請に関するものが2件あります。気になる方はお調べください。
意見書の新たな提出期限は6月26日(月)審査会は本試験前に開かれるか?
さきほど、個人情報保護審査会の事務局の方と電話で話しました。私から未完成の意見書と期限の再設定をお願いすることを書いて送っていましたが、その返答が出ました。
これまでの経緯はこちら。
shikaku-hack.hatenablog.com
shikaku-hack.hatenablog.com
提出期限を1か月延長して頂けることになりました。新しい期限は6月26日(月)です。
それにしても、こちらから国税庁に審査請求書を送ってから国税庁が理由説明書を出すまでには3か月待つ(審査会への標準的な提出期限を3か月にしているそうです)のに、こちらからの意見書の提出は1か月を指定しくるのですね。釈然としない気もしますが、ともかく期限の延長に応じて頂けたのでよかったです。
審査会は、他2件の審査請求とまとめて(併合)行うことになるかと想定しているのですが、5月に私が出した審査請求2件が国税庁から審査会に届いていないので検討もできないそうで。併合になれば審査会は8月(本試験後)になるだろうと計算していたのですが、先に始まることになるかもしれません。できれば本試験前の時期に忙しくなることは避けたいところですが、、、。
http://www.soumu.go.jp/main_content/000401133.pdf
今のところ、私の意見書は全8章立て、1万字を超える規模になってきました。核心部分は出来上がると思いますが、できれば資料も揃えて完全な状態にしたいと思います。
国税庁の理由説明書を公開!初めて明らかになる税理士試験係(事務局)の実態
先回の更新で、国税庁から「税理士試験採点済み答案」の「のり弁開示」について理由説明書が到着したことをお伝えしました。今回はその理由説明書の全文を公開します。
続きを読む目次
- 理由説明書
- 判明した事実
- 私からの反論
こちらが試験委員の掲載された官報です 問題作成はこのように
税理士試験の試験委員は、予備校が毎年発表していることはよく知られた事実です。予備校の中には試験委員の専門分野などを調べて、対策講義を行っているところもあります。ところで、この試験委員、国税庁のサイトには掲載されていませんが、予備校はどこから情報を入手しているかご存じでしょうか?
正解は、合格者発表と同じく、官報で公表されているのです。その実物を入手してきましたのでご覧ください。
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- 予備校発表の試験委員
- インターネット版官報
- 試験委員任命の掲載された官報
- 試験委員の担当科目と問題作成手順
- 税法科目の試験委員は実質一人