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平成29年(行個)諮問第119号 国税庁理由説明書「答案の画像データは既に廃棄した」

メールやコメントを頂いていますが、諸々の事情で私の処理能力の限界を超えており、作業が滞っております。順次対応しますのでお待ち下さい。


現在、私が行っている審査請求は3件が進行中ですが、諮問第119号と120号について、国税庁の理由説明書が到着していますので、公開しておきます。

目次

審査会からの通知「理由説明書の送付及び意見書又は資料の提出について」


審査会通知


意見書の提出期限は9月19日になりました。先日、審査会事務局に電話で問い合わせたのですが、こちらから意見書を提出する標準的な期限が3週間であるそうです。国税庁が理由説明書を書いてこちらに送ってくるのに3ヶ月以上かかっているのですがね。

平成29年(行個)諮問第119号 国税庁理由説明書

119号は、税理士試験の採点前答案用紙、つまり、私が試験で作成した答案をそのまま開示するよう求めたものです。私の提出した審査請求書は以下の通りです。


国税庁理由説明書

国税庁理由説明書


前書きは、先に行っている審査請求(諮問71号)の理由説明書と同じで、特に目新しい情報はありません。

そのため、処分庁が保有個人情報開示請求のあった時点で保有しているのは、試験委員による採点内容が書き込まれた採点後の答案用紙であり、本件対象文書(採点前の答案用紙)は保有していない。
したがって、本件請求保有個人情報について、保有していないことを理由に不開示とした原処分は妥当である。

審査請求書に書いた通り予想していましたが、この保有していない理由を引き出すのに3ヶ月かかりました。この程度のことは、不開示の決定通知書に最初から書いておいてもらいたいものです。「保有個人情報開示請求のあった時点」とは、私が開示請求をした平成29年1月16日から数日内を指していると考えられます。

答案の画像データは存在したが既に廃棄 その判断は妥当か

なお、処分庁では、災害等の不測の事態に備えて、採点前の答案用紙の画像データの作成を業者に委託し、業者から納入されたDVD(略)については、事務局にて施錠が可能なキャビネットで保管し、答案の採点後、全ての受験生の答案用紙が揃っていることを確認するとともに、事務局において試験結果を登録した上で、廃棄することとしている。
本件開示請求に当たり、本件DVDを保管していた上記キャビネットを確認したが、本件DVDはなく、本件開示請求時点においては既に廃棄されている。

税理士試験でも答案の画像データをバックアップとして作成しているのではないか、という疑問は、これまで事実が公になっていませんでしたが、私が審査請求書に書いて問い質しましたので、これに対する答えとして初めて明かされました。予想通り、画像データが過去に存在したことは間違いないようですが、国税庁お得意の「既に廃棄」したので開示できないそうです。

試験が行われたのが平成28年8月10日。平成29年1月16日前後には既に廃棄。鍵のかかったキャビネットで保管していたDVDを、いつ、誰の判断で廃棄したのでしょうか。1年未満の短期間で廃棄を行うのは妥当なのでしょうか。

これに対する反論は・・・?

上記の通り、この理由説明書に対する意見書を私から提出でき、それをもとに審査会で審議が行われます。しかし、今回は諮問71号のときのような長文の意見書を提出する予定はありません。既に存在しないという事実の前には(それが事実であるとするなら)、反論らしい反論もできないかもしれません。公文書管理等の事情に詳しい方、法的に追及できる余地があると考える方は、ご意見をお寄せください。私今あまり調べる余裕もないので、何もなければ出さずに終わります。


採点前答案用紙は新たに開示請求中

とはいえ、上記のような国税庁の回答は、予想の範疇ではありましたので、新たな開示請求を既に行っています。今年の試験の採点前答案用紙の開示請求を平成29年8月14日付で行いました。今度は「既に廃棄」「存在しない」という理由は使えません。こちらの結果も楽しみですね。それではまた。