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平成29年度(第67回)税理士試験出題のポイント

国税庁ウェブサイトの「税理士試験出題のポイント」が、例年通りであれば、今年は明日、2日の月曜日に発表されます。当blogでは、受験生諸氏にお知らせする意味も込めて、国税庁サイトの更新に先行してリンクを貼っておきます。

「税理士試験出題のポイント」とは

税理士試験出題のポイントとは、国税庁ウェブサイト上で毎年10月第1週目の月曜日に発表されるその年の税理士試験の科目ごとの問題の解説です。各問の正解や配点、採点基準など、一切が公表されていない税理士試験において、主催者側から公式に発表される試験問題についての見解としては、唯一のものとなります。

webarhiveで確認できるものとして、平成14年度(第52回)のものが最も古いものとなります。



出題者(採点者)が問題において重要と考えている箇所であり、言及のあった箇所に重点的に点が振られている等と噂されていますが、定かではありません。問題に解釈の余地があり、解答が割れるような問題であった場合には、出題のポイントで出題者の意図が分かり正解の推測の参考になるとも言われていますが、問題文に書いてあることを繰り返しただけで何の参考にもならない代物であることもあります。出題のポイントの文量や、どのような形式かも、試験委員の裁量に任されていると考えられ、力の入れようも当該の委員次第です。

例えば、酒税法では、第二問の解説が毎年同じ内容のコピペで、何の情報も出していないのに等しいです。

〔第二問〕

 酒税法の総合的な理解を問うため、製造場から移出した酒類について、酒類の品目及びその判定理由並びにその酒類の課税標準数量に対する酒税額、控除を受けようとする酒税額、納付すべき酒税額までの算出を求める問題である。
 主なポイントは次のとおりである。

1 原料、製法等による酒類の分類を理解しているか。
2 各品目の税率の計算方法を理解しているか。
3 租税特別措置法に定める酒税の税率の特例の規定を理解しているか。
4 戻入控除等の適用要件及び控除額の計算方法を理解しているか。


酒税法|平成28年度(第66回)税理士試験出題のポイント|国税庁

公益的性質を帯びる国家試験のあり方として疑問を感じます。

今年の注目

今年の国税徴収法の問題で、出題者が解答に何を想定しているのか不明である問題があるとして、出題者の考える正答とその根拠が明らかになるように公表を求める申入書を私が国税審議会に充てて送りましたので、どのように対応されるか見ものです。ただ、私が書面を送付してから現在までに国税審議会は開かれていないようですし、それほど迅速に対応されるという期待はあまりしていません。

他の試験では

ちなみに、他の類似試験ではどのような問題解説が公表されているか、参考に紹介しておきます。税理士試験出題のポイントは、これらに比べても見劣りするものと感じられます。

日商簿記検定「出題の意図・講評」

日商簿記検定では、出題の意図・講評が公表されており、1級ではA4版5ページほどになります。

司法試験「論文式試験出題の趣旨」

1ページ1700字ほどの解説が43ページあります。

日弁連「税理士試験は実定法の解釈技術の能力を試す試験となっていない」

日本税理士会連合会は、平成24年9月26日付で、国税庁長官及び財務省主税局長に「税理士法に関する改正要望書」を提出しました。要望書の中で、税理士資格について、税理士法では弁護士及び公認会計士(平成26年改正前)に無条件で税理士資格を付与していることに関し、「弁護士は会計学に属する科目に,公認会計士は税法に属する科目に合格することを原則とするなど,税務に関する専門性を問う能力担保措置を講じるべきである。」としました。

日税連の要望書に対し、両士業団体は反論の意見書を発表し、会計士協会とは激しいバトルが勃発したことは以前の記事でも紹介しました。


今回の記事では、日弁連の意見書から税理士試験の本質について考えることとします。

目次

  • 日弁連の意見書
  • 現在の税理士試験の本質
  • 税理士会は税理士試験に真剣に向き合うべきである
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審査会答申「税理士試験の成績の記録されたファイルを不開示とした決定は、違法なものであり取り消すべきである。」 平成29年度(行個)答申第98号

既にtwitterの方で要点だけ説明させて頂きましたが、平成29年(行個)諮問第120号について、突然、予期していなかった答申書が届きました。こちらからの意見書の提出期限が9月19日とされていて、それを出したばかりでしたので、突然答申が出る意味がわからなかったのですが、答申書を落ち着いて読んでようやく理解できました。

結論を先に書いてしまうと、私が勝った、というわけではありません。これは、審査会で内容を審議して判断する以前の問題で、当初、国税庁が私に出した不開示の決定書が法律に則った形式になっていなかったため、無効(違法)ということです。

目次

  • これまでの経緯
  • 平成29年9月19日(平成29年度(行個)答申第98号) 答申書
  • ふりだしに戻る?
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共有持分で所有していた貸家の敷地に供されていた宅地を共有持分で取得した場合の評価及び小規模宅地等の計算の特例の適用の可否

twitterで速報しましたが、諮問第120号の答申が突然出ました。国税庁の不開示決定を取り消せ、ということでインパクトのある決定が出たのですが、答申の中身を読むと、これは内容を審議する以前に、国税庁の手続きに法的な間違いがあったので違法という結論のようです。今後どうなるのか、週明けに問い合わせようと思っていますので、しばしお待ちください。



さて、今回の記事は、標題の通り相続税なんですが、業務で疑問にぶち当たりまして、数日来ずっと私の頭を離れないでおります。私の中で一応の結論は出たのですが、確信が持てないでおりますので、相続申告の経験豊富な読者の方にお知恵を拝借できないかとブログに持ってきた次第です。ご教示よろしくお願いします。


目次

  • 共有持分で所有していた貸家の敷地に供されていた宅地を共有持分で取得した場合の評価及び小規模宅地等の計算の特例の適用の可否
    • 2.質問事項
    • 3.事実関係
    • 4.問題点
    • 5.関連法令
    • 6.当方の見解
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平成29年(行個)諮問第119, 120号 意見書を提出しました

平成29年9月18日付で以下2件の意見書を、情報公開・個人情報保護審査会に送付しました。

目次

  • 平成29年(行個)諮問第119号
    • 1 国税庁の理由説明書について審査請求人の意見
  • 平成29年(行個)諮問第120号
    • 1 国税庁の理由説明書について審査請求人の意見
      • 1-1 法第14条第7号柱書きの不開示情報該当性について
      • 1-2 法第15条第1項該当性について
      • 1-3 情報を紙媒体に出力することが可能な一定期間とは何か?
      • 1-4 特定の受験者の情報のみを抽出し出力することが不可能としている点について
      • 1-5 事務局の人員が不足しているとしている点について
    • 2 結論
  • 謝辞
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