消費税法改正「会計入力担当者が最低限知っておくべき知識」所内研修資料
消費税法改正について、事務所で職員研修を実施しました。会計入力担当者が最低限知っておくべき知識を中心に、約1時間話しました。詳しい内容は既成の資料を配布したので、レジュメは最重要論点を見出しのように記載しています。話の流れも考えて練りに練った構成なのですが、他で使う予定もないので公開しておきます。余裕があれば外部に向けたセミナー等も開きたいところです。
目次
1 配布資料
- 消費税課税区分基準書(第17版)(TKC)
- 中小企業のための消費税軽減税率制度導入と消費税転嫁対策(日本商工会議所)
- 平成31年(2019年)10月1日以後適用する消費税率等に関する経過措置について(国税庁)
- 10月1日をまたぐ取引の消費税率に注意しよう!(TKC)
- リース契約等に係る消費税率改定の取り扱いについて
2 改正要点
1 基本的な確認
1-1 消費税の課税対象となるものとは(消法4、2①八)
①国内において、②事業者が事業として、③対価を得て行った、④資産の譲渡等(+特定仕入れ)
1-2 資産の譲渡等とは
資産の譲渡 及び 貸付け 並びに 役務の提供
⇓ ⇓ ⇓
モノを売る 貸す サービスを提供する
1-3 納付税額の計算方法(本則課税)
課税売上に係る消費税額 - 課税仕入に係る消費税額 = 納付すべき消費税額
2 税率
2-1 10月1日以後に登場する税率
① 10%(標準)
② 8%(軽減)
③ 8%(経過措置)
④ 5%(経過措置)
2-2 いつの税率が適用されるか(消基通9-1-1~9-6-2)
資産を引き渡した時
役務提供が完了した時
2-3 経過措置とは
法施行日(10月1日)以後でも旧税率が適用される取引(強制適用)
代表的なもの
① きっぷ、定期券、入場料金等
② 電気料金等(10月31日までに料金が確定するもの他)
③ 請負工事、ソフトウェア開発(指定日(4月1日)以前に契約)
④ 通信販売(指定日(4月1日)以前に条件提示)
⑤ 資産(不動産)の貸付け(指定日(4月1日)以前に契約ほか要件あり)
リースは種類により異なる
①ファイナンスリース
②オペレーティングリース
3 軽減税率
3-1 適用されるもの
① 飲食料品(酒、外食、医療品を除く。)
② 定期購読の新聞(週2回以上発行の一定のもの。)
3-2 外食の定義
店が管理する飲食設備(テーブル、椅子、カウンター等)で飲食させる役務の提供
4 「区分記載請求書等」への対応
事業者が発行する請求書(領収書)に次の事項を記載する必要がある。(←仕入税額控除の要件)(消法30⑦⑧⑨)
① 発行者の名前
② 取引年月日
③ 取引内容
④ 対価の額(総額)
⑤ 受け取る者の名前
①〜⑤は現行の要件
⑥ 軽減税率の対象品目の印
⑦ 税率毎に合計した対価の額
⑥⑦は、新たに追加
8%と10%を区分(仕入側で追記しても可)
(ただし標準税率のみであれば省略可)
3 軽減税率導入後のレシートと仕訳
(下記記事の要約)
仕入側の入力の手間が格段に増えそうな軽減税率制度ですが、簡易課税だと丁寧に入力する必要もありません。いい加減に経理する習慣が広まってしまいそうという点でも困った制度です。関与先の実情を見ながら重要性と効率も考えて進めていこう、というまとめで終わりました。