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国税庁に税理士試験適正化を要望する署名を届けてきた

仕事が繁忙期に入り残業もあり、なかなか更新の時間が持てなくなってきました。すっかり日が開いてしまいましたが、2月2日、国税庁に「税理士試験適正化要望」キャンペーンの署名を国税庁に届けに行ってきた報告です。

目次

提出した署名は185筆

私が東京についたのはこの日の早朝。全国的に大雪が警戒されていましたが、小雪のちらつく寒い朝でした。事前にアポを取っていた私は、14時半に国税庁を訪れました。国税庁の正面玄関は厳重な警備が敷かれており、同行する者の住所、氏名は事前に申告するよう言われていました。平日の昼間、しかも税務業界は繁忙期とあって、結局、申し入れの場には私一人で行くことになりました。庁舎が工事中だったからなのかよくわかりませんが、正面玄関横にプレハブ小屋で設置された外来者の受付になっているところに入り、名前を告げると、面談室に通されました。対応頂いたのは、長官官房調整室、連絡調整係の係長ともう一方でした。


手渡した署名は、Change.orgサイトに「私たちは、税理士試験の適正化を要望します」のタイトルで募集し、受験生や税理士等から集まった185筆です。


税理士試験には改善すべき問題点があるとして、具体的には、以下の3つの要望を記しました。他にも言いたいことは山ほどありますが、すぐにでも実現可能で、かつ、多様な考えのある受験生の中でも賛同が集まりやすいと考えた3つに要点を絞ったものです。

1. 適切な問題の出題
2. 模範解答の公表
3. 点数の開示

署名の主旨の説明資料1枚と、185筆の署名、サイトに寄せられたコメントを全て印刷しまとめた冊子にして、手渡しました。

「私たちは税理士試験の適正化を要望します」

「私たちは税理士試験の適正化を要望します」

「私たちは税理士試験の適正化を要望します」


質問を預けてきました

この日は直前まで人と会ったりしていたため、申し入れの場で何を話すか緻密に考えてはいなかったのですが、提出する署名の冊子を元に即席でプレゼンを行いました。せっかく会って話をする機会をもらったのですから、ただ渡してくるだけなのも勿体ないので、質問を預けることにしました。対応頂いた調整室の方は陳情を受け付ける係のような部署で、直接の税理士試験の担当である人事課試験係へは、調整室の方が書き取った内容を伝達して、返事をするか否かも含めて検討頂くとのことでした。


質問もその場で話す流れの中で考えたのですが、この問題は私が四六時中考えてきたことで、幾度となく人に説明してきたことなので、すらすら話すことができました。調整室の方も後の予定があるので切り上げるよう促され、全部で3、40分くらいだったでしょうか、問題意識を伝えきることができたと思います。

国税庁に回答を要望した質問は以下の通りです。

1.第66回法人税法の試験問題に不適切な点はなかったと考えているのか?
(曖昧に答えられても困るのでピンポイントで問いました。*1


2.模範解答は本当に存在しないのか?
(平成15年開示請求における国税庁の公式見解に対する質問です。*2


3.第67回大阪会場の試験監督不手際の件について私が郵送した申入書を検討したのか?
(再度、申入書を手渡しました。 *3


4.税理士法施行令6条にある60%の合格基準は守っているのか?
(守っていなければ違法状態になります。*4

最後に、これらの質問にも無視を貫くようなら、「訴訟を起こさざるを得ない」とも伝えてきましたが、調整室の方は直接の担当者でないので、冷静に受け止めて頂いたようです。申し入れは和やかな感じで終わったと私は感じました。

メディアの取材を4件受けました

そして、この日はメディアの取材も受けました。国税庁を訪れることは、事前にマスコミ各社にプレスリリースを送っていたのですが、当日急遽連絡のあった社も含め、国税庁を訪れる前後に計4社の記者の方と会いました。某局、某新聞、某週刊誌、いずれの記者も関心を持ってくださっており、1時間程度ずつお話ししました。税理士試験にこのような問題があったことに驚いていらっしゃり、安倍政権の森友加計問題で国税庁バッシングが高まっている時期でもあるので、記事として取り上げたいと仰っていました。また、予期していたことですが、私が去年のうちから各社に送っていた取材のお願いは、なかなか記者の下まで届いていなかったようで、申し訳ないとも言われました。


某局の記者はさすがの取材力で、既に国税庁、試験委員経験者、予備校等にも取材を行っていたようです。各社とも取材くださった記者は関心を持っているのですが、取材内容が表に出るまでにはいくつかの関門があるようです。私が国税庁に入っていくところや、コメントもビデオカメラで撮られていますが、放映があるかはまだわかりません。

取材を受けた4社のうちの一つが、以下の記事です。

当日の模様

当日の模様はツイッターでもまとめましたのでご覧ください。



署名を提出した意義

税理士試験に対する不満は受験生の間で相当昔からあり、試験問題不備には苦情も多数寄せられていたと思われますが、国税庁は試験問題の訂正や発表をしたことは一度もありませんでした。公式の記録に一切残っていないということは、過去67年の試験は全て適正に行われてきた、という公式見解になっているわけです。


そんな中で、今回の署名提出によって、少なくとも2018年には、受験生から不満と改善の声が上がっていたという跡を残すことができたと思います。次は、国税庁が過去の試験の不備を認めないことには、改善もありえないことだと思います。


今後私がこの活動を続けていくことになるかは、国税庁の対応と、受験生の声の高まり次第です。