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1科目合格のみで試験合格(官報合格)になる方法

ツイッターに書いていたらいろいろ思いついたので、さくっと更新しようと思ったのですが、やっぱり膨らみました。
先日、大原の合格祝賀会に出席しました。元々知った顔というのは、過去に講義を受けたことのある講師くらいしかいなかったのですが、実にいろいろな方、十数名以上とお話しして時間が足りないくらいでした。某税理士団体の代表の方とも名刺交換をしましたが、私が去年郵送しておいた封書のことを聞いたら、覚えていらっしゃいました。ただ、会務にも年間計画があるので、なかなか新たなことを始めるのは難しいようでした。いつか日の目を見ることを願っています。

目次

1科目合格のみで試験合格者になる方法

会場で「官報合格」の花をつけていらっしゃった方でお話しした中で、元国税職員で税法免除だという方がいらっしゃいました。それ以上掘り下げて聞きませんでしたが、「論文を書いた」とも仰っていたので、もしかしすると大学院に通って会計学も1科目免除だったのかもしれません。

簿財受験+税法全部免除 →試験合格者

まずこれが「税法全部免除(2科目合格)で試験合格になる方法」ですね。国税の賦課または立法に関する事務に10年以上従事した公務員等(細かい例外がいろいろありますが、省略。)は税法に関する科目が全て免除されます。(税理士法8条1項4号)


税法全部免除であっても国税庁・日税連の税理士登録の分類では、「試験合格」の区分になり、合格証も出ます。日税連の分類では、最後を試験で受かると、大学院免除者も国税一部免除者も試験合格に分類されます。逆に既合格科目を合わせて6科目受験で1科目不合格だった者は、「免除者」に分類されます。ですので、本当の意味での試験合格者と免除者の正確な統計はどこにもないでしょう。この分類は正直意味がないと思いますが、こういうことになっています。税理士制度の根本からして曖昧なところです。

ちなみに「試験合格」のことを通称「官報合格」と言っていますが、言葉として正確でないので私は使わない方がいいと思います。試験合格者は12月の官報に、試験免除(認定)者は6月の官報に名前が載ります。

「試験免除者は、税務官公署退職者や大学院修了者が一般的であるが、試験合格の場合もある。例えば税理士試験4科目合格者は、4科目について免除申請のうえ1科目を受験し合格すると試験合格者となるが、免除申請せず2科目以上受験して合格すると、後日、国税審議会に申請して試験免除者となる。また、税務官公署退職者が会計科目を試験合格し税理士登録すると試験合格者となる。このように税理士名簿の登録は、税理士試験合格証書か、免除決定通知書が添付されているかで分類している。」

shikaku-hack.hatenablog.com

簿or財受験+修士号免除+税法全部免除 →免除者

最初に書いた、10年勤務で税法免除を受けて簿財のどちらかに合格して残りを修士号免除する場合ですが、会計科目の1科目に受かってからでないと修士号免除の認定申請が出せないので、「試験合格者」になることはできません。この場合、最後に修士号の研究認定を受けて、「免除者」の区分になります。

会計学免除+所or法受験+地方税免除 →試験合格者

「1科目合格のみで「試験合格」になる方法」も一応ありました。これが表題の件です。地方公務員(地方税の賦課または立法に関する事務に限る)として23年以上勤務し指定研修を受けると、会計学の科目が免除になります。(税理士法8条1項10号)。しかし、地方公務員の場合、税法は地方税科目しか免除にならず、所得税か法人税を試験で合格しなければなりません。消費税や相続税でなぜダメなのか、その辺のバランスはよくわかりません。




税理士試験の免除制度については、また改めて記事にしたいと思っていますが、近畿税理士会の税理士法解説のページが網羅的にまとまっていますので、引用しておきます。

税理士試験における科目免除の取扱い

第2章 - 第 7 条・第 8 条│Web税理士法

「官報合格」にこだわる意味はあまりない

これを見て感じるのは、「試験合格」か「試験免除」かこだわることはあまり意味がないな、ということです。一部には絶対5科目試験合格(官報合格)でないと、という考えの方もいらっしゃるようですし、特に否定するつもりはないです。確かに短期間(5年未満)で5科目に合格する方は優秀だと思いますし、2、3年で合格できる方は本当に優秀で、そういう方にとっては試験の方がコスパがいいとも言えると思います。しかし、そうでなければ試験合格にこだわって失う時間のデメリットの方が大きいように思います。


上記で見たように、日税連の登録の分類からして「試験合格」なのか「試験免除」なのかが曖昧ですし、資格を取ってしまえば証明するものや機会があるわけでないです。「官報合格」に特別な意味があるかのように感じるのは滑稽に思えます。税務ができるようになるレベルと、税理士試験に合格するレベルは大分差があり(乖離と言ってもいいでしょう。)、試験に受からなくても実務でエキスパートと呼べるような高度な仕事ができる方はいます。昔は「院免除は採用しない」というような考えの事務所も多かったようですが、今そんな考えのところは、合理的な考え方ができるとはあまり思えませんから、衰退していくのではないでしょうか。



上記の記事でも書いたように、事実として試験受験者と合格者の数はどんどん減っています。そして国税OBも斡旋制度がなくなったので昔ほどではなく減っています。しかし、税理士の新規登録者数は減っていません。何が増えているかというと大学院修士号免除と会計士資格者です。先述したように正確な統計がないのでわかりませんが、試験合格者と修士号免除者の数は均衡しているか、既に逆転している可能性もあります。少子化で大学が潰れる時代に、税理士試験免除コースの大学院が新設されているところもあります。*1大学院は費用がかかるということもあるので、試験が杜撰な体制のまま放置されて、大学院がスタンダードになっていくというのは、あまりよい傾向ではないとも思います。


ツイッターで受験生アンケート実施中


ツイッターで受験生にアンケートを行っています。既に150名ほどの投票がありました。ツイッターには「勉強ガチ勢」が多そうなので、「5科目試験」が多そうですがどうでしょうか?ツイッターをやっている方はぜひ教えてください。



以前のアンケートの結果はこのようになりました。



大阪大学入試での出題ミスがトップニュースになっていますが

ところで、大阪大学の入試での出題ミスがニュースになっており、新聞一面掲載のところもあるようです。税理士試験の体たらくも、これに匹敵すると私は思いますが、税理士受験生は本当に静かですね。





それではまた。