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平成30年度(第68回)税理士試験出題のポイント 予備校の解答間違いが判明

10月1日、国税庁サイトの「税理士試験出題のポイント」が更新されました。





目次

「税理士試験出題のポイント」とは

税理士試験出題のポイントとは、国税庁ウェブサイト上で毎年10月第1週目の月曜日に発表されるその年の税理士試験の科目ごとの問題の解説です。各問の正解や配点、採点基準など、一切が公表されていない税理士試験において、主催者側から公式に発表される試験問題についての見解としては、唯一のものとなります。

webarhiveで確認できるものとして、平成14年度(第52回)のものが最も古いものとなります。



出題者(採点者)が問題において重要と考えている箇所であり、言及のあった箇所に重点的に点が振られている等と噂されていますが、定かではありません。問題に解釈の余地があり、解答が割れるような問題であった場合には、出題のポイントで出題者の意図が分かり正解の推測の参考になるとも言われていますが、問題文に書いてあることを繰り返しただけで何の参考にもならない代物であることもあります。出題のポイントの文量や、どのような形式かも、試験委員の裁量に任されていると考えられ、力の入れようも当該の委員次第です。例えば、酒税法では、第二問の解説が毎年同じ内容のコピペで、何の情報も出していないのに等しいです。


出題のポイントは、試験委員が試験問題作成の時期に同時に行っているため、受験者の答案を採点した上での評価や、採点の基準が変えられたとしてもその情報は反映されていないようです。*1そうであれば、なぜ試験実施から発表まで約2ヶ月も開ける必要があるのか疑問に感じます。試験委員によって情報量に差があり、毎年コピペである等、品質が保たれていないことも問題です。

今年の注目ポイント

国税徴収法は昨年に続いてかなり詳しく書かれており、問ごとに解答として何が必要か、根拠条文番号まで掲載されています。(全ての科目で、最低限この水準を維持することが望まれます。)出題のポイントの公表により、大原、TAC、ネットスクールとも、解答解説を間違っていたことが判明しました。


具体的には、第1問、問3において、各校とも、無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務(徴39)により、徴収できる金額を500万円としました。出題のポイントでは、担保権付財産が譲渡された場合の国税の徴収(徴22)も適用できるとしていますので、600万円とすべきでした。

なお、私の考えでは、国税庁の解答に加えて、滞納者が唯一の財産を贈与した行為について、詐害行為取消権(民424)の適用可能性にも触れるべきではないかと思います。上記の徴収方途により滞納国税の全額が徴収できるので必要はないかもしれませんが。
(問題文に「国税徴収法の規定に基づき」とあったようなので、民法の規定は不要でした。)


各科目の出題のポイントについて、読者諸氏の感想や分析をコメント頂ければ幸いです。

*1:「試験委員は、例年1月〜4月にかけて試験委員間で協議を行いながら、試験問題及び出題のポイントを作成している。」平成30年(行情)諮問第351号 国税庁・理由説明書