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障害者に税理士試験の試験時間の延長措置があることが判明

障害者に、税理士試験の試験時間の延長措置があることが、開示請求により判明しました。


目次

開示請求No.16 「第81回国税審議会税理士分科会における配布資料及び議事録」

今回の資料は、「第81回国税審議会税理士分科会における配布資料及び議事録」を開示請求して、出てきました。


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開示文書「身体に障害がある場合等の試験時間の延長措置について」

身体に障害がある場合等の試験時間の延長措置について

身体に障害がある場合等の試験時間の延長措置について


措置の内容

開示文書によると、身体の障害等により健常者に比べ筆記時間が長くかかる者に対し、試験時間の延長を認めていることがわかりました。この措置は平成21年度(第59回)から、試験時間を1.33倍とする内容で導入され、障害者差別解消法の施行や請願書の提出を受け、平成30年度から最大2.0倍に拡大されています。この措置を受けるためには、医師の診断書及び実測による確認が必要ということです。


ちなみに、平成30年度の受験案内においては、この措置があることのみ記述がありましたが、措置の内容は問い合わせるようにとなっていました。国税庁サイトでは案内されていませんでした。

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「平成30年度(第68回)税理士試験受験案内」p.3

懸念される事項

現状、このような措置があることがほとんど周知されていないことは気になりますが、措置自体は歓迎すべきことですので、対象と思われる方は問い合わせてみられるといいと思います。対象者は、「身体に障害がある場合等」とされており、その他の配慮が必要な障害についてどこまで含まれているのかは定かでありません。大学入試センターでは、ADHD(注意欠如多動障害)等の発達障害にも試験時間の延長が認められていることを考えると、受けられる可能性はあると思います。

 


ただ、私もADHDの当事者として、気がかりなのは、仮にこの措置を受けることができたとすると、少なからずバッシングがあるのではないかということです。科目によって試験時間が非常にシビアな税理士試験では、1.33倍でも試験時間が延長されることは通常より有利に働く可能性もあるからです。しかし、これはそもそも、合格水準にある者でも試験時間内に解けきれないような問題量を与え、無理矢理ふるい落とすような出題をする試験問題の質そのものから生じる問題であると考えます。「速記試験」と揶揄されるような反射神経的なテクニックが問われる問題を止め、問題をしっかり読んだ上で思考力を問う性質の問題に、出題者側が対応すべきであると思います。