税理士試験の合格まで何年かかるのか?(開示請求により入手した統計を初公開)
税理士試験は公式に公開されている情報が少なく、不透明な点が多い試験です。私、Markは、そのことを問題視し、国税庁に対し開示請求を行い、閉ざされた闇にメスを入れる試みを行ってきました。今年(第68回)の試験から、受験者に点数が公表されるようになったのも、この成果だと思っています。
税理士試験は合格までとかく年数のかかる試験ですので、実際のところどれくらいかかるのか、多くの受験生が知りたいところだと思います。これまで税理士会の行ったアンケート調査による数字を私も主張の中で使用してきましたが、国税庁はより正確なデータを持っているはずだと睨んできました。国税庁が税理士試験の運営や成績管理のために使用している「税理士試験システム」には、公表されていないデータが保存されていることが開示請求により判明し、最近になって私の下に大量のデータが届いたところです。これらは順次、このblogで分析・公開していく予定です。
今回は、史上初めて開示された合格年数の統計を分析しわかったことを、プレゼンテーション形式でお見せします。どこの予備校も持っていない正確な情報をここで独占公開します。
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目次
税理士試験の合格まで何年かかるのか?
平成29年度に試験(官報)合格した795名のうち、2名は昭和54年が最初の科目合格でした。実に40年近く受験を続けてきたことになります。見るにも、ぞっとする数字です。
税理士試験の受験者にはいろいろなライフスタイルがありますので、何をもって平均とするか難しいところではあります。30年以上かかった人が毎年受験を続けていたかはわかりませんし、特別優秀な人は2,3年で受かる人も確かにいます。平均の統計を取るのにどこまで含めるかで幅は出てきます。合格者の90%は20年以内に受験を終えますので、20年以内の人だけで平均を取り直すと8.92年という数字が出てきます。これが最も税理士試験の平均的受験者像に近い数字ではないかと思います。強調しておきますが、これは科目免除を受けた人も含めての数字ですから、試験だけだともっと長くなると考えられます。
税理士試験の受験期間がこれほど長くなるのは、受験者のレベルが低いからでは決してありません。どれだけ優秀でも、構造的に受験期間が長くなる試験制度になっているからです。そして私は、この試験制度を維持しておくメリットはなく、全く不合理だと考えています。
税理士試験はこのままではいけない
私の税理士試験への問題提起は、以下の記事にまとめています。
私は2年前から、このbogで税理士試験のあり方そのものに疑問を呈してきました。国税庁や税理士会にも直接働きかけていますが、今のところ芳しい返答はもらっていません。しかしこの間に、同じような思いで税理士試験について情報発信をする税理士の方が徐々に増えてきているように感じています。是非、受験生と業界の未来のために、発言をお願いします。連絡をくだされば、このblogでもご紹介させていただきます。
記事の内容に強く首肯します。発信してくださってありがとうございます。
— Mark / まあく (@mark_temper) 2018年7月9日
税理士会の研修でやっと法律学を学ぶんですね!私は、税理士は計算屋ではなく法律家であるべきだと思っていますが、そういった素養を問わない今の税理士試験の傾向には大きな問題があると思っています。