社労士試験では開示請求や訴訟の結果、合格基準などの公開が始まりました
社会保険労務士試験は、税理士試験と同様難関の国家試験だと聞いております。私は税理士試験の問題点をここで訴え始めて、読者の方から情報を頂くまで知らなかったのですが、社労士試験でも合格基準の恣意的な運用等の問題があるようです。それに対し受験者の方による情報公開請求や、複数の方による不合格取消訴訟が行われました。2012年頃から始められたようですが、試験を実施する厚労省も渋々ながら対応し、以前に比べ情報開示が進んだ、と認識しております。
目次
社労士試験の情報開示を求める闘いとその成果
複数の方による訴訟の報告や、開示された試験結果のデータを詳細に分析した大量の資料がネット上に公開されています。大変興味深く参考になる部分も多くあると思うのですが、申し訳ないのですがblogのデザインが見にくいのもあって、大量の資料が雑然としており私は見切れておりません。全容を把握しておりませんが、主要なところを紹介します。
社労士試験 不合格取消請求訴訟
このような訴訟(裁量権の逸脱・濫用、手続き瑕疵)が、全国複数エリアで同時に行われたのは、国家試験史上前代未聞の出来事です。(労災・国年不合格取消)
また、このような裁判で原告側から多くの証拠(開示資料等)が提出されたのも稀有なことかもしれません。
原告の皆さんは、弁護士に一切頼ることなく、自ら、法令・判例を調べ、力を合わせて、「本人訴訟」でこの戦いに挑まれています。社労士試験 不合格取消請求訴訟 (平成28年10月30日概況) ( 法律、行政 ) - 社労士試験 合格基準について(活動記録) 完 - Yahoo!ブログ
平成28年度 社労士試験
本年度より、「合格基準の考え方」と「得点分布データ」等が厚労省ホームページにて、一般公開されましたので、このブログはこれにて完全終了といたします。
来年度からは、一般公開以外のデータは資格学校で取得し、全受験生に開示していただければ幸いです。TKTK
- http://blogs.yahoo.co.jp/aij2539
- 社会保険労務士 “合格率2.6%ショック”に、ブログ炎上事件…「食えないこともない」収入と仕事の実像:MyNewsJapan
- 国家試験の恥だから社労士試験の合格率をいじるのはもうやめろ - 名古屋で就業規則作成するなら社会保険労務士川嶋事務所
ご覧のように、当事者の方の長い時間と大変な労力をかけた活動の成果として、試験が改善されたようです。翻ってみると税理士試験では、合格基準(公称の「60%」などという誰も信じていない基準ではない本当の基準)はおろか、模範解答(正答)や配点、受験者の点数、明らかな問題の誤り、すら公表されていないのですから、情報開示のレベルは訴訟になった社労士試験を遥かに下回ります。今行っている情報開示請求に国税庁が真摯に応じて頂けなければ訴訟は不可避と思っております。
情報公開・個人情報保護審査会 答申
以下は、審査会答申から要点のみを筆者が抜粋・強調表示。
答申日 : 平成27年3月6日(平成26年度(行情)答申第526号)
事件名 : 「社会保険労務士試験の合格基準の考え方について」等の一部開示決定に関する件答申書
第1 審査会の結論
別紙1に掲げる文書(以下「本件請求文書」という。)の開示請求に対し,別紙2に掲げる文書(以下「本件対象文書1」という。)及び別紙3に掲げる文書(以下「本件対象文書2」といい,本件対象文書1と併せて「本件対象文書」という。)を特定し,本件対象文書1を保有していないとして不開示とし,本件対象文書2の一部を不開示とした決定については,本件対象文書を特定したことは妥当であり,
本件対象文書1のうち異議申立人が開示すべきとする別紙2の2ないし13に掲げる文書を保有していないとして不開示としたことは妥当であるが,
本件対象文書2の不開示とされた部分を開示すべきである。別紙1
本件請求文書1 第44回・第43回・第41回・第39回社会保険労務士試験合格基準の考え方
2 第44回・第43回・第41回・第39回社会保険労務士試験総得点乖離状況
3 第44回・第43回・第41回・第39回合否判定委員会で使用された「科目得点状況表選択式/択一式」以外の文書(データ)
4 第44回・第43回・第41回・第39回社会保険労務士試験免除者の科目別得点状況表(選択・択一・総合点等)及び相当の文書
5 第44回・第43回・第41回・第39回社会保険労務士試験合否判定委員会の議事録(実施日・出席者が記載された)及び相当の文書別紙2
本件対象文書11 第39回(平成19年度)社会保険労務士試験総得点乖離状況
2 第44回(平成24年度)社会保険労務士試験科目免除者科目別得点状況表(選択式)
13 第39回(平成19年度)社会保険労務士試験合否判定委員会の議事録別紙3
本件対象文書2
1 社会保険労務士試験の合格基準の考え方について(第44回社会保険労務士試験合否判定委員会使用分)
5 第44回(平成24年度)社会保険労務士試験総得点乖離状況
8 第44回(平成24年度)社会保険労務士試験の合格基準について
12 第44回(平成24年度)社会保険労務士試験概要
16 第44回(平成24年度)社会保険労務士試験合否判定委員会要領
20 第32~43回(平成12~23年度)の合格基準及び合格者について
http://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/9929094/www8.cao.go.jp/jyouhou/tousin/h26-11/526.pdf
<答申抜粋>
(別紙1の3) 第44回・第43回・第41回・第39回合否判定委員会で使用された「科目得点状況表選択式/択一式」以外の文書(データ)
・・・・・別紙1の3に掲げる文書については,連合会試験センターが試験事務としてデータの集計・処理を行っているので,厚生労働省は保有していない。しかし、以前、連合会に確認をしたところ、全てのデータは厚労省が集計・保有していると発言していましたので、どちらかが嘘?をついていることになります。
「社会保険労務士試験の合格基準の考え方について」が、すべて開示すべきと判断されました。 ( 法律、行政 ) - 社労士試験 合格基準について(活動記録) 完 - Yahoo!ブログ
「税理士試験適正化要望」について
私の呼びかけで行っている「税理士試験適正化要望」活動(キャンペーン)については、こちらの署名サイト(Change.org)をポータルと考えています。
この活動に興味を持って頂いた方には、まず上記の署名サイトを見て頂きたいと思います。そうすれば、税理士試験にはどのような問題点があるのか、具体的に何を要望しているか、要望を反映させれば試験がどう変わるか、1ページでわかるようにまとめ、随時更新しています。署名サイトは、問題提起の場であり、賛同者を募る場であり、情報伝達のインフラです。最新の情報はこちらのblogで更新しつつ、重要な更新があった際には、署名サイトに登録していただいた方にもメールでお知らせしています。
国が60年制度としてやってきたことに私一人で異議を唱えたところで無視されるのが落ちですから、多くの方の関心を得ることが重要だと思っています。最近はちらほらと税理士の方からもコメントやメールを頂くようになりました。税理士試験の問題点を受験生だけでなく、なるべく多くの方、一般の方にも知って頂くことがこの活動が成功するか否かの鍵となると思います。ですので、このblogをチェックされている方でまだ署名をされていない方は是非賛同をお願いします。そして周りの方にも広げて頂ければと思います。
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