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Markの資格Hack

資格試験に四苦八苦しないための資格Hack(シカクハック)情報 税理士試験の実情を発信しています

国税庁から届いた「開示決定明細書」と次の一手を公開

税理士試験適正化 開示請求

国税庁からの通知を公開します

先日、速報で「一部開示」とお伝えした「税理士試験の採点済み解答用紙」の国税庁からの開示決定の内容ですが、書類を郵便で受け取りましたのでここに公開します。

最初に申し上げます。今回の決定による開示では、こちらが意図した情報は全く開示されません。紙面のほとんどが黒塗りのいわゆる「のり弁」状態での開示となります。これは私が開示請求書に記載した「請求する個人情報」の表記の判断を間違えたことによるものです。皆様にはこれで税理士試験の答案が開示されると期待をさせてしまい、また他の方にも開示請求を呼びかけたにも関わらず同じ結果を招くことになってしまいました。申し訳ございませんでした。

この結果を踏まえて次の一手を既に考えております。次は狙い通りに開示されると見込んでいます。この記事の後半に記載していますので、どうぞ最後までお読みください。

目次

開示決定通知の内容

これが国税庁から届いた「保有個人情報の開示を決定する旨の決定について(通知)」1枚目及び3枚目です。(2枚目は省略。)
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「不開示とした部分」からわかること

開示決定明細書の「不開示とした部分」を見ると、「解答欄、解答欄右側の余白部分、評点欄」と、ほとんど全てが不開示とされたことがわかります。これで開示して出てくるのは、受験番号くらいでしょうね。評点欄の記載のある、解答用紙1枚目が理論の最初のページ、7枚目が計算の最初のページ、でしたでしょうか。

「(項目部分を除く。)」とあるのが意味がよくわかりませんが、「評点」と書かれたタイトルの部分のことでしょうか。

「不開示とした理由」からわかること

「不開示とした理由」を見ると、次のように記載があります。

①開示された答案の内容と当該答案に与えられた得点との分析や同様の開示請求を行った他の開示請求者との情報交換が行われることなどにより、機械的、断片的知識しか有しない者が高得点を獲得する可能性があり、税理士試験の目的が達せられなくなるおそれがある
②答案の採点について、試験委員及び事務局職員への質問や照会等が増加し、それぞれの有する業務に支障が生じるおそれがある

など、税理士試験事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められることから、当該部分は法第14条第7号柱書きの不開示情報に該当するため、不開示とする。

国税庁の言うように、採点を全て開示してしまうと、どの部分にどのように点を振っているかまでわかってしまい、点のある箇所だけを効率的に解答しようとする者が出て不公平を招くということでしょう。しかし反論するとすれば、一部科目(例えば相続税法)で求められる膨大な量の記述に対し、試験時間内に解答欄の全てを埋めることは合格水準にある者でも不可能であり、既に現実に、点がないと思われる箇所を省略することが解答テクニックとして言われているため、意味がない理由付けでしょう。むしろ、配点が公表されないことで、問題の指定通り丁寧に解答している者と思い切って省略している者との間で不公平を招いているとも言えます。

もう一つは、裏を返せばそれは、全ての答案の全ての箇所を厳密に採点しているわけではないことがばれてしまうので困る、ということでしょうね。全問が記述式で膨大な分量になる税理士試験においては、完全に厳密な採点は不可能ということで、ある程度まではこの理由は理解できるものです。

②の質問や照会等が増加する、というのは理由になっていません。質問や照会等が多いのは、試験の採点に関わる全てが不明瞭で、正解すらはっきりしない不適切な問題を出題しているからです。適切な問題で試験を実施し、模範解答や採点基準が公開されれば必要なくなるものです。それでも来る質問は、試験を実施する以上当然に業務として真摯に回答すべきものでしょう。ここで開示しないことの理由にはなり得ません。



しかしながらこの理由で、解答欄だけでなく、評点すらも不開示としてきたのには驚きます。部分部分の点に限らず、大問ごとの点すら開示しないものと思われます。点数を開示することで生じる、「税理士試験事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれ」とは一体なんなんでしょうか。


法第14条第7項柱書きの不開示情報とは

前の記事で、

なおも不開示の決定を行う余地があるとすれば保護法14条第7号に該当する場合くらいでしょうが、

と、予想していましたが、まさに、その通りでしたね。

しかしこれをそのまますんなり受けれ入れられるかというと、そうではありません。上記の通り、不開示とする理由としては不十分であることがいくらでも反論できます。

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国税庁「行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律に基づく処分に係る審査基準」より

次の一手

開示の実施の申出

今回の部分開示決定では黒塗りだらけで得られる情報はなく、ほとんど意味はないと思いますが、一応何らかの手がかりになるかもしれないので開示の実施手続きは進めます。

新たに「採点前解答用紙」を開示請求します

今回は「採点済み解答用紙」の開示を求めた私の判断が誤りでした。開示請求を行うにあたり参考にした会計士試験の開示請求では、「採点前の答案」としているのです。ここをあえて「採点済み」としたのは、あわよくば出てこないかという、私の判断でした。申し訳ありません。


ここで新たに別の開示請求として「採点前解答用紙」の開示を求めます。こちらは、主に2つの理由から開示が認められるはずです。

  • 採点前であれば今回の「不開示とした理由」に当てはまらないこと
  • 会計士試験で開示実績があること
採点前なら今回の「不開示とした理由」に当てはまらないこと

法律の趣旨としては、請求された個人情報は、基本的に開示しなければいけないものです。不開示とするには法律に則った相応の理由が求められます。今回、上記のような理由で不開示にしたということが引き出せたので、これはこれで成果がありました。

今度の「採点前」であれば、同じ理由で不開示とすることはできません。

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国税庁「行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律に基づく処分に係る審査基準」より

会計士試験で開示実績があること

前述した通り、会計士試験では「採点前答案」の開示が実際にされています。

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Part518 答案開示(企業法)|公認会計士試験合格を目指す テレビっこのブログから引用

審査請求

当然ですが、この「部分開示」では到底納得できるものではないので、審査請求に進みます。審査では、処分庁(国税庁)の決定が妥当であるかどうか、外部の委員により審議されます。処分庁、請求人双方から意見を提出しますので、より詳しい答弁がされるはずです。

外部といっても、処分庁よりの決定が出される傾向があるようですが、提出する意見の内容にもよるでしょう。


まだ序章です

ここであっさり採点済み答案が出てくれば急展開でしたが、やはりそう甘くはないようです。しかし第一段階として十分です。


そして、これら一連の開示請求も全て、国税庁から税理士試験の実施事務についてどのような見解を持っているかを引き出すために行っています。判明した事実を材料に各方面に働きかけていきます。当初から目的は、税理士試験を今よりまともに変えさせることです。どうか皆様その点ご理解ください。